管理職をしていると、新しいメンバーにチームのことを説明する機会があります。

仕事内容や担当業務については説明できても、

「このチームは何を目指しているのか」
「会社の中でどんな役割を担っているのか」
「一人ひとりに何を期待しているのか」

まで、順序立てて説明できているでしょうか。

私自身、これまでも必要なことはその都度伝えてきました。

ただ、改めて考えてみると、その時々で会話していただけで、チーム全体について体系立てて説明したことはあまりありませんでした。

おそらく、受け取る側からすると少し「ふわっと」していたと思います。

そこで、新しいメンバーが入るタイミングで、一度きちんとチームについて整理してみることにしました。

その壁打ち相手として使ったのが生成AIです。

まずは「何を、どの順番で伝えるか」をAIと整理する

今回やってみて感じたのは、いきなりAIに、

「新しいメンバー向けのチーム説明資料を作って」

と頼んでも、自分が求めているものにはなりにくいということです。

まずは、自分の頭の中にある情報をAIに伝えました。

最初にAIへ伝えたこと

たとえば、こんな内容です。

新しいメンバーに自分のチームについて説明したいです。

会社として目指していることは○○です。
その中で、事業としては○○を担っています。
私たちのチームは主に○○を担当しています。

この関係性が新しいメンバーにも分かるように、説明する順番を整理してください。

すると、話す内容が、

経営方針

事業方針

チームの方針

個人の役割

というように、大きな話から徐々に個人へ落としていく形に整理されました。

ここで初めて、

「確かに、いきなりチームの仕事内容から説明するより、この順番のほうが分かりやすい」

と気づきました。

会社がどこへ向かっているのか。

その中で事業が何を担い、自分たちのチームがどんな役割を持っているのか。

そこから個人の役割につなげる。

この順番なら、「何をするか」だけでなく「なぜそれをするのか」まで伝えやすくなります。

次にAIと「自分たちの強み」を言語化する

説明する順番が決まったら、次は中身です。

ここでも、AIにいきなり「私たちの強みを考えて」と頼むのではなく、自分たちの仕事や得意なことについて情報を渡しました。

そのうえで、

今伝えた内容から、このチームの強みになりそうな部分を整理してください。
ただし、判断するために情報が足りなければ質問してください。

と投げかけます。

AIの回答に「違う」と返すことも大切

AIから出てきた内容が、すべて正しいわけではありません。

「そこは強みではないと思う」

「それより、こちらのほうが得意」

「この部分は他と比較しても強いと思う」

と返していきます。

このやり取りを繰り返すことで、少しずつ自分たちの特徴が見えてきました。

面白かったのは、普段は当たり前にやっていることの中にも、言葉にしてみると強みと呼べるものがあったことです。

自分たちにとって当たり前だからこそ、意外と自分では気づきにくいのかもしれません。

強みを整理すると「今の課題」も見えてきた

私はチームを運営するとき、弱みをすべて克服するよりも、まず強みを生かすことを大切にしています。

もちろん、弱みを放置するということではありません。

自分たちが得意なところで力を発揮しながら、成果を出すうえで障害になる部分を改善していく。

そのほうが、チームとして前に進みやすいと考えています。

そこで、次はAIにこう聞いてみました。

このチームがさらに成果を出すために、今ボトルネックになっているものは何だと思いますか?

ここでも、AIの答えをそのまま採用するわけではありません。

「そこはすでにできている」

「それは大きな問題ではない」

「むしろ課題はこちら」

と返していきます。

「課題だらけ」ではないことにも気づけた

このやり取りをしていくと、チーム全体にたくさんの問題があるわけではなく、次に解決すべきことは意外と限定されていると整理できました。

同時に、

「今取り組んでいる方向性は、大きく間違っていない」

ということも確認できました。

これは、新しく入るメンバーへの伝え方にも影響します。

課題ばかりを説明するのではなく、

「私たちにはこういう強みがある。その強みをさらに生かすために、今はここに取り組んでいる」

と伝えられるからです。

チームの現在地を、以前より前向きに説明できるようになったと感じています。

説明資料の最後に「この先」を入れる

現在地まで整理できたところで、もう一つAIに投げかけました。

今取り組んでいる課題が解決したら、このチームは次にどんな状態を目指せそうですか?

ここでもAIの回答を見ながら、

「そこまではまだ目指していない」

「これは将来的にはありそう」

「まずはこの状態を目指したい」

と修正していきます。

すると、

現在地

今取り組んでいること

それができた状態

その先に目指したいこと

までつながりました。

新しいメンバーにとっても、「今何をするか」だけでなく、「それが何につながっているのか」が分かったほうが、自分の仕事を理解しやすいと思います。

AIとの壁打ちは「広げすぎない」のもコツ

AIと壁打ちしていると、次々とアイデアが出てきます。

「この内容を面談にも使えるのでは?」

「評価基準も作れるのでは?」

「チームの行動指針まで作ってみよう」

確かに、いろいろなことに展開できます。

ただ、ここで全部やろうとすると、今度は話が散らかってしまいます。

私自身、AIを使っていてよく感じるところです。

まず一つの成果物を完成させる

今回の目的は、あくまで新しいメンバーにチームを説明する資料を作ることです。

そのため、

「今、何のためにAIと壁打ちしているのか」

を決めて、まずは一つの成果物を完成させる。

次のテーマに進むのは、それからでも遅くありません。

今回作った説明資料が固まれば、次はそこに書かれたチームの方針や大切にしたいことを、面談などにどうつなげるかを考えてみたいと思っています。

AIは「答えを出すもの」ではなく「考えを整理する相手」にもなる

生成AIというと、

文章を書いてもらう。
資料を作ってもらう。
アイデアを出してもらう。

そんな使い方が思い浮かびます。

もちろん、それも便利です。

でも今回改めて感じたのは、自分の頭の中にあるものを整理する相手としても使えるということでした。

私が今回やったことをまとめると、

自分が持っている情報をAIに渡す

整理してもらう

違うところを指摘する

足りないところを質問してもらう

もう一度自分で考える

資料としてまとめる

という流れです。

AIにチームの方針を決めてもらったわけではありません。

むしろAIとのやり取りを通して、**「自分はこのチームをどう考えているのか」**を言葉にしていった感覚に近いです。

新しいメンバーが入る予定がある方は、一度、

「そもそも、自分はこのチームをどう説明するだろう?」

というところからAIと壁打ちしてみてもいいかもしれません。

説明資料を作るために始めたはずが、自分自身がチームの強みや現在地を再確認する機会にもなると思います。