〜前提が違うと、人はすれ違う〜

「同じ話をしているはずなのに、相手が何を伝えたいのかわからない」

そんな経験は、誰でもあると思います。

でも実際は、
話し方が悪いわけでも、
相手の理解力が低いわけでもなく、

“前提”が違うだけ、
ということが意外と多い気がしています。

以前からこのブログでも、
俯瞰や達観について書いてきましたが、

最近は特に、

「相手がどんな前提で物事を見ているのか」

を考えることが、
コミュニケーションでは大事だと感じています。

パートナー間でも前提は違う

これは夫婦やパートナー間でも同じだと思っています。

相手が、
自分をどういう立場だと思っているか。

それによって、
コミュニケーションはかなり変わります。

例えば、

「自分は家族を支える役割」

「自分は相手にとって聞き役」

と思っている人もいれば、

「家族は対等なチーム」

「意見を言い合いたい」

と考えている人もいる。

例えば、

「子どもにとって自分は二番手」

と思っている人がいるとします。

そうすると、
子どもへの距離感や、
関わり方も自然と変わってきます。

こちらからすると、

「もっとこうしてほしい」

と思うことでも、

相手の中には、
その行動を選ぶ理由や前提がある。

そこを理解しようとするだけでも、
感情的な衝突は減る気がしています。

私は“喧嘩にならないようにしている”

私は夫婦でほとんど喧嘩をしません。

もちろん、
価値観の違いがないわけではありません。

でも、
感情をぶつけ合う前に、

「この人は、
どういう前提で話しているんだろう」

を考えるようにしています。

私は、
喧嘩はできるだけ避けたいタイプです。
仕事でも議論はしますが感情的な話は避けます。

感情的になると、
お互いに本来伝えたいことより、
“勝ち負け”に近づいてしまうことがあるからです。

だから、
相手を変えようとするより、

「なぜそう考えるのか」

を先に整理するようにしています。

人によって「正義」が違う

これは仕事でも同じです。

例えば

フロント側(営業)は
「スピードが大事」

バックオフィス側(内勤)は
「正確性やルールが大事」

と考えることがあります。

どちらも間違いではありません。

ただ、
見えている景色が違う。

だから、
同じ出来事でも、
判断が変わります。

即レスを大事にする人もいれば、
しっかり考えてから返事をしたい人もいる。

「ちゃんとやっておいて」

という言葉も、

・期限を守ること
・丁寧にやること
・報告すること
・ミスを減らすこと

など、
人によって意味が違います。

つまり、
自分の“普通”は、
相手の普通ではない。

ここを理解していないと、
会話は少しずつ噛み合わなくなっていきます。

相手には“その人なりの正義”がある

仕事をしていると、

「なんでそんな言い方をするんだろう」

と思う相手に出会うことがあります。

例えば、
上司の中には、

「厳しく言うことが自分の役割」

と思っている人がいます。

そういう人に対して、

「怒らないでください」

と伝えても、
根本はなかなか変わりません。

なぜなら、
本人は“成長させたい”と思って言っている場合があるからです。

もちろん、
言い方が正しいとは限りません。

ただ、
一度、

「この人は、
こういう役割意識で話しているんだな」

と整理すると、
感情だけで受け止めにくくなります。

私はまず、
相手の話を一旦聞くようにしています。

ただ我慢しているわけではなく、

「まず相手に、
話を受け止めてもらえたと思ってもらう」

ことを意識しています。

その上で、

「こういうことを学びました」
「こう理解しました」

と返す。

すると、
相手は
“伝わった”
と感じやすくなります。

そのあとに、
こちらの考えを伝えると、
意外と聞いてもらえることがあります。

「聞いてもらえた」と感じることは大きい

心理学でも、
相手の話を要約したり、
復唱したりすることは、
信頼形成につながると言われています。

カウンセリングの分野では、
相手の言葉を繰り返す「反射(reflection)」は、
傾聴技法のひとつとして知られています。

実際に、
相手が
「自分の話を理解してもらえた」
と感じることで、
安心感や対話への満足度が高まる研究もあります。

人は、
正論を言われるよりも、

「まず理解してもらえた」

と感じた時の方が、
相手の話を受け入れやすいのかもしれません。

これは仕事でも、
夫婦でも、
かなり共通している気がしています。

前提を知ろうとすると、人間関係は少し楽になる

人はそれぞれ、
違う環境で育ち、
違う価値観を持っています。

だから、
完全に分かり合うのは難しい。

でも、

「この人は、
どんな前提で話しているんだろう」

を考えるだけで、
コミュニケーションは少し変わります。

相手をコントロールするより、
まず理解しようとする。

その視点は、
パートナー
上司や部下、同僚
友人も含め
人間関係を少し楽にしてくれる気がしています。